母音の前の「the」の発音は、「ジ/ðiː/」か「ザ/ðə/」かどっちですか?とよく質問を受けます。
結論を先に言うと「どっちでもいい」、です。
英語ネイティブはどっちも使います。あえて言うなら「発音しやすい」ため、母音の前は自然に「ジ」になることが多いです。
ただし、イギリス英語では「ザ」だけで、アメリカ・カナダでは両方使う人が多いです。なお、現代では「ジ/ðiː/」の発音を制限して、母音の前でも「ザ/ðə/」と発音する傾向にあるようです。
日常会話では重要ではない
日本の学校では、母音の前は『ジ』、子音の前は『ザ』と習ったと思いますが、日常会話ではあまり重要ではありませんので、気にし過ぎないようにしましょう。
日本の学校と違って、ネイティブは学校でわざわざこのことを習いません。幼いころから会話で自然に覚え、無意識に使い分けているんですね。
何かを強調するときには『ジ/ðiː/』と発音する
theの後ろにくる名詞が子音であっても、それを強調したい時は「ザ」ではなく「ジ」と発音することがあります。
たとえば、あるスパイ映画で男女2人のこういう会話がありました。
男性:「誰かへの復習か?」
女性:「そう、ブラッドよ。」
男性:「ブラッド? まさか、あのブラッド?」
「あのブラッド?」とブラッドを強調するときに、「The Brad?」のtheは「ジ/ðiː/」と発音され「ジ・ブラッド?」と言います。
文章ならどう見分ける?読むときの判断材料
会話なら「ザ」なのか「ジ」なのか聞き分けられますが、文章ならどう見分ければいいのでしょうか。読むときの見分け方をお伝えします。
先生がギターに関するある記事を読んでいた時、こんな一文がありました。
“The floating bridge and jangly un-dampened springs are THE signature Strat sound, much like the 3 brass saddles on a Tele surely.”
文の中に2つ「the」があります。どちらもtheにかかる名詞は子音ですが、赤文字のTHEは強調されて「ジ」と読みます。会話なら「ザ」なのか「ジ」なのか聞き分けられますが、文章だとわかりませんね。
判断材料
文の場合、「ジ」と読むのは以下のような場合です。
●「the」が全部大文字の「THE」の場合
●文の途中なのに「the」のtが「The」のように大文字の場合。文の途中なら「the」とすべて小文字が普通。
●「the」が「“the”」のようにダブルクォーテーションで囲まれている場合
解説
●The floating bridge のTheは次の理由から普通に「ザ」と読みます。
・Theにかかる名詞はbridgeで子音である。
・Theは文頭にある。
●THE signature Strat sound のTHEは次のように判断して「ジ」と読みます。
・THEにかかる名詞はsoundで子音だけれども、
・一文の途中なのに「THE」は全部大文字である。
よって、このTHEはsoundを強調しているため「ジ」と読みます。
もうひとつ、あるロックバンドの評価コメントなんですが、
“I never gave chicken Foot a chance. I just thought oh ok another super group. Man was I mistaken, this is not just another super group. This is The Super Group”
●The Super GroupのTheは次のように判断して「ジ」と読みます。
・Theにかかる名詞はGroupで子音だけれども、
・一文の途中なのに「The」のTが大文字になっている。
よって、このTheはGroupを強調しているため「ジ」と読みます。
稀にありますので、英語の文章を読むときに見かけたら参考にしてください。
もっと大事なこと
英語を学ぶ多くの方は、「the」の発音を気にする人が多いですが、それよりももっと大事なことは、「複数形」を使うことに慣れるようにして「単数形」との違いに気をつけるようにすることです。
関連記事→英語の複数形は大事。単数形だと意味が変わるフレーズ|×I like dog. × I like hamburger.はどういう意味?
「the」のことよりももっと大事なことは他にたくさんあります。そういった英語を勉強したい方の入会をお待ちしています。
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